頭の中の人と会話する

雑記

ひとりごと、ではない。

わたしは常日頃から、実在する人を相手に、架空の会話を繰り広げている。そのほとんどが「あの時ああ言えば良かった」とか「こう言ってたらどうなってたんやろう」みたいなちょっとした後悔を白で上塗りしていくような、失敗を取り戻すような、ささやかな抵抗をより集めてはちょっとスッキリする、そんな事をしている。エンドレスに。

もし、授業中に暴漢が現れたら、わたしが盾になってその隙に───みたいな妄想を頭の中で繰り広げたことはないだろうか。あれと一緒である。

最近はその会話を、声に出してするようになった。相手の音声は脳内で再生される。わたしはそれに応える。乗っかる。挑発する。悲しむ。喜ぶ。笑う。不審人物だ。でもほら現代ってば、みんなイヤホンしてハンズフリーな通話してるやん?えーめっちゃひとり言デカいひと前から歩いてくんねんけど!?思ったら電話しとんのかい!!みたいなん、あるやん?あの感じで、あたかも通話してます感を出しながら、頭の中の人と会話をしている。

話す内容は過去のことばっかりだ。過去をやり直してばかりいる。

言い返せなかったあの時、言う事を聞くのが正しいと思っていたあの時、圧が強いあの人、悪と決めつけられたあの時。学校。職場。別れ話の喫茶店。大体14才~25歳くらいの、いたいけなわたしの、もう同じシーンを何回もやり直している。トラウマなのか?これ。

本当に無駄なことをしている。どうせなら未来のシミュレーションがしたい。なにか生産しなければならない。

20代後半になってから、より、自分の言いたい事を言えるようになった。自覚がある。何故なら意識してそうしてきたからだ。なので「ああ言えばよかったな」の類の後悔が全然無い。これは非常に良いことだ。その方が人間らしいと思っている。なんでもかんでもあけすけにズカズカと土足で歩き回るのも良くはないが、かといって入口や隅っこで黙ってるのも楽しくない。思ったことは出来るだけ伝えてしまいたい。我慢したくない。思わぬ形で後悔を引きずることになるからね。

ブツブツ。ブツブツ。これいつまでやるんだろう。

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