
その名は「姫路市立水族館」。わたしはずっと神戸に住んでおきながら、大人になるまで知らなかった。水族館や動物園が好きでよく行くようになったのはここ5年ぐらいの事。何がきっかけかは忘れてしまったが、今となってはあちこち動物に会いに行っては愛でつつカメラを向ける。旅行に行く時は付近に水族館/動物園が無いかをまず調べるほどだ。大きい施設もニッチな施設も大好き。
姫路市立水族館には、イルカショーもアシカショーも無い。でもペンギンやウミガメ等の食事シーンが見れたり、水生昆虫の展示が多くて(おぉ…)となったり、水槽のほかにも手作りの教材も多くて学びが多い。国内で唯一ヌートリアが飼育展示されていたり、ウニはいつもキャベツを齧っている。自然光がキラキラと降り注ぐ大きな水槽がある。カップルもファミリーも一人でもゆっくり観て回れる、そんな水族館だ。無料で姫路モノレールの展示もしてある。入館料も安く、2026年現在は600円で入館できる。もっと払わせてほしい。グッズを増やしてほしい。いつも1カプセル100円の鯉のエサを2回ぐらい撒いている。少しでも経営の足しになれば。






初めて行ったのは2024年みたいだ。当時は520円で入場していた。安すぎる。もっと儲けてほしい。
最寄駅は山電手柄駅か、JR手柄山平和公園駅(2026年に新設)、どっちも駅から10分くらい歩けば着く。アクセスは良いねえ。隣には手柄山温室植物園もあるし、タクシーで10分走れば姫路駅の姫路市立動物園にもハシゴが出来る。盛りだくさんで一日遊べるのだ。
この最初に行った2024年1月は自分のパニック障害が発覚してしばらく経った頃だ。体調が悪くて電車に乗ることもままならず、あれやこれやの検査をして最終的にメンタルクリニックに流れ着き、病名と薬が出た。そこからの生活は「レジの列に並ぶ」「普通電車に乗る」「外食をする」といった落とした小銭を一つ一つ、チャリンチャリンと拾い集めるような生活を送っていた。ヒメスイに行ったのもその小銭集めリハビリの一環だった。下り電車で混まないところ、大きすぎないところも人が多くなさそうなところも、ちょうど良かった(褒めている)
さて、そもそもひとりで水族館に行ったことがあるだろうか。たのしいよ。自由で。他の人の迷惑にならなければずっと見てていいし、何回も往復してもいいし、ぼんやりぼんやりできる。複数人で行く良さもあれば、単独行動の良さもしっかりあるのだ。水族館は良い。
ちなみにヒメスイには売店が無い。アイスと飲み物の自販機はある。食べ物は持参しよう。2024年に行ったときは「出先でまったりコーヒーを飲む」という小銭を拾うために家からカフェインレスコーヒーをスープジャーに入れて持参して、真冬の屋上ビオトープのベンチで飲んでいた。パニックはカフェインがNGなので、家から持参。屋外のベンチはパニックを起こしにくい。ここに来るといつもその時の寒さと緊張感を思い出す。

ちなみに水筒じゃなくてスープジャーだったのは、「保温できて奥まで手が入る」のがスープジャーしかなかったからだ。当時は食洗機が無かったので、いつもスープジャーかプロテインシェイカーで飲み物を運んでいた。

そこからは1年に2〜3度ぐらいのペースでヒメスイに足を運んでいる。天候も問わないし、駅からも近い。サクッと行けてぼんやりできる、大好きな施設のひとつだ。
中でもいちばん好きな展示は自然光が降り注ぐ播磨灘大水槽。ここにはベンチが置いてあって、ヒメスイ滞在時間の多くをこのベンチで過ごしている。できるだけ長く座っていたいから、平日を狙って行く。

イワシの鱗に光がキラキラ反射する。アジがデカすぎる。エイがこっちを見て笑っている。サメは無関心。常に動き回る彼らを見て、心を無にする。にんげんというものは、たまには心を無にしないとやってられないものだ。サラサラと落ちる砂時計の砂、果てしなく押し寄せる波、耳の奥に響く木々のざわめき、そういったものたちと肩を並べるのがこの、ヒメスイの播磨灘大水槽だ。その時々において、選択肢の中から好きなカードを選べる。それが大事なのだ。心を無にできること/ものなんかいくつあっても良い。自分をケアすることは大切だ。
派手さは無い。でも、しみじみと良い施設だ。長く長く、続いて欲しい。
今回は写真多めにお送りした。カメラ機材はOM-D E-M10 MarkⅣ(EM10Mk4)にM.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3の便利ズームを装着して。魚は泳ぐのが速いよう。ううう。水族館に来るといつも明るいレンズが欲しくなるね。

