良く見る夢がある。その場所にデジャヴを感じる。それが重なって(もしくは重なっているように思い込んで)、ああまたいつもの場所が夢に出てきたと。
実際には一人暮らしをした物件は一部屋だけなのに、夢の中では複数か所ある。それぞれの物件にそれぞれの思い入れがあって、知らない生活や知らないこだわりを持って生活していたような、そんな記憶があるような。
夢の中での暮らしはやっぱり夢の中なので、部屋に辿り着くまでが迷路になっていていつも迷っていて疲れた頃に良い感じの飲み屋さんが出てきて必ず一杯飲んで帰るだとか、やたらスケルトンなエレベーターがこれまた迷路のような道をあっちこっち経由したりだとか、暗い暗いコンクリートの地下部屋で、玄関前とリビングの一角にだけ陽が射しているだとか、それらの風景を目の当たりにする度に「あぁ、早く布団で眠りたい。安心したい」と思いながら帰っている。そういえばいつも帰っている。家の中での暮らしぶりとか、出掛けるシーンとか、あんまり夢に見ないな。忘れてるだけかも。
夢日記を書こうと思ったことがある。
今日はどんな夢を見た、というのを大学ノートに記録しようと、というか若干したことがある。三日持たなくてやめちゃったけど。大体、よっぽど印象的な夢以外は起きたらすぐに忘れてしまう。
これ、やんなくて正解だったのかな。夢を記録し続けると、夢に意識が強く向いてしまって現実と区別がつかなくなって気が狂うやら悪夢を見るやらネガティブになるやら、結構おそろしいものだったみたいで。まあ夢の事なんか覚えてても仕方ないもんね。たまに面白いのがあったりするとちょっと覚えときたいけど。知っている人が出てきたり、やたらと楽しかったり、ド淫夢だったり。
私は睡眠が浅い。神経質にかすかな物音で目覚めるし、寝た気もしない。なのでその分、たくさん夢を見ている気がする。もっと楽しいの見させておくれ。



