それは、唐突にやってきた。
パニック障害とはどのようなものか。
突然理由もなく激しい不安に襲われて、心臓がドキドキする、めまいがしてふらふらする、呼吸が苦しくなるといった状態となり、場合によっては死んでしまうのではないかという恐怖を覚えることもあります。このような発作的な不安や体の異常な反応は「パニック発作」と呼ばれており、パニック発作がくりかえされる病気をパニック障害と呼んでいます。
不安障害|こころの病気について知る|ストレスとこころ|こころもメンテしよう ~若者を支えるメンタルヘルスサイト~|厚生労働省
話には聞いたことがあった。
パニック発作ってもっと「ギャー!!!!」みたいな、そして痙攣を起こして倒れる身体!ほとばしる汗!!混乱!!!狂気!!!!みたいなのを想像していた。症状には個人差があるとはいえ、全然違うよ。
一例として、私のケースをお話ししよう。
そして、おそらく長い付き合いになるであろうパニック障害の備忘録として、自分のためにもこれを書きたい。
きっかけ
2023年11月、私は夫と出かける途中の天王寺駅で猛烈に体調が悪くなって、救急車を呼んだ。これまで付き添いで乗ったことはあるが、自分が急病人の立場で乗ったのは初めてである。
当時の状況としては、
- そこそこ混んでいる車両の真ん中あたりに乗り込んで発車までしばらく待つ
- 発車のメロディが流れた途端に急に血の気が引いて吐きそうになり心臓バクバク
- 駆け込み下車
- ホームのベンチで座って休むも回復せず、過呼吸を起こす
- 駅員さんに助けを求めて救護室で横にならせてもらうが過呼吸止まらず
- 救急車呼んでもらって搬送
- しかし何もされず深呼吸をする様子をただ先生に見守られる
こんな感じである。
これまで「なんとなく電車に酔いやすいんだよな」とは思っていて、なんとなく酔い止めを飲んでいた。しかし、この症状はただの乗り物酔いではない。なんせ電車はまだ発車していない。
これは、対策しなければならない……!
こうしてやっと重い腰を上げて病院で検査をしようと決めた。
受診
自律神経系かな?と思ったものの、やはり身体的な何かかもしれない。
乗り物酔いしやすいってことは三半規管のバグで問題が起きているのかもしれない。耳鼻咽喉科を受診。→異常なし
血液とか心電図とかも一応調べておこう。ちょうど申し込める健康診断があったので受ける。→異常なし
体調が悪くなるトリガーが心因的なものなので、やはり心療内科かな。→先生「パニック……でしょうね。」
パニックでしたか。あれがパニック発作でしたか。
抗不安薬を出してもらった。飲むと発作が酷くなりにくい。発作は起きるけど、倒れこむ程ではないというか。
※最初はロラゼパム貰ったけど私の身体では効きがマイルドだったから、2回目からはアルプラゾラムに変えてもらったよ!みんなも何かあったら気軽に主治医に言おうね!
私のパニック症状
パニックとわかってから、3か月が経った。現在の私の症状は
- 心のザワつき
- なんだか急にものすごく体調が悪くなる気がする
- 心臓がバックバクになる
- 血の気が引いて立っていられない
- みぞおちが気持ち悪い
- 顔と手のひらが熱くなって汗をかく
- 過呼吸気味(薬飲んでたら悪化しない)
こんな感じである。もちろん人それぞれ個人差はある。
でも、少なくとも私の場合、パニック発作を知らなかった時に想像していたギャー!!混乱!!!狂気!!!!とはかけ離れている。隅っこで深呼吸しながらうずくまる、そういった静かなるバーストだ。
そして次に予期不安が起こる。
何度も発作を繰り返すうちに、「また発作が起きるんじゃないか」という不安がつきまとう。1回大丈夫だったからといって、次も大丈夫とは限らない。
さらに広場恐怖が押し寄せる。
発作を起こした場所やシチュエーションそのものが不安になる。発作が起きた時にすぐに逃げられないような場所に行けなくなる。
ああ、パニック障害。これまで出来ていたものがどんどん出来なくなってゆく。
私の体調が悪くなるトリガー
どんなシチュエーションだと発作が出るのか、大体わかってきた。
多くのパニック障害の人と同じように、【逃げられない状況】がとても怖い。
- 電車(降りたい時に降りられない。各停ならまだマシ)
- 会議(すぐに出られない。Web会議なら大丈夫)
- 美容院(すぐに終わらせられない)
- 歯医者(すぐに終わらせられない)
- 映画館(出口付近ならマシ。でも最近大音量もダメかも)
- 外食(スタバみたいに持って出れるものなら大丈夫)
- 役所(番号順に待っていられない)
- 列に並ぶ(もうすぐ自分の番って時に発作出がち)
- モワっと暑い(これは何故か発作が出る)
- 飲酒(アルコールはわかりやすくダメ)
- カフェイン(コーヒー飲んだら1~2時間で発作出る)
試してないからわからないけど、おそらく高速道路とか飛行機移動もダメ。人混みは意外と大丈夫、でも騒音が大きいとダメかも。
身体が弱い訳ではないのでジョギングで汗かいても平気、でもコンビニ入った途端に暖房が効きすぎてて具合が悪くなることもある。
思い返せばあれは前兆だったのかも
天王寺駅で倒れる前にも、同じように体調が悪くなることが何度かあった。
しかしそれはほとんどの場合【電車に乗っていて気持ち悪くなる】といったものだったので、「最近乗り物酔いするなあ」と酔い止めを飲むだけだった。
ただ、薄々そうじゃないとも思っていた。
何故なら、電車に乗っている時に気持ち悪かったのが、ホームに立つだけで気持ち悪くなり、最終的に駅に向かうだけで気持ち悪くなっていた。酔い止めを飲んでるだけでなんか安心できていたのだろう。その時は。
その前にも過換気で救急にタクシーで駆け込んだり、お酒に口をつけただけで倒れたり、ここ1年程はもともと自律神経のバランスも悪かったんだろうと思う。
パニック障害は長期戦?
例えば骨折だと骨がくっつけば完治だ。
パニック障害の終わりはどういうものだろうか?発作が出なくなって、どこで何をする時も不安に思わなくなるのがゴールなのかな。
ほんとうに出来る事が少なくなった。
子供のいない専業主婦。たまたまこのタイミングで発症したのは良かったのか、このタイミングだから発症したのかわからない。
今の私は電車に乗って出社することも、8時間会社の席に座っていることも、出来る保証はない。推しのライブも行けないし、映画館では10分でギブアップするし、人と会う約束が近付くだけで不安になる。スーパーの列で倒れそうになるし、外食も出来ない。
早く治したい。でも、これは長い付き合いになるとも思っている。
何故なら、この3か月で全然改善されないからであーるw
薬は自分の身体に合っていて、症状は抑えられている。あとは、この恐怖とどう向き合っていくかという気持ちの問題?考えすぎて不安に思ってしまうことをやめる?発作をいち早く鎮める方法を見つける?
現状としては何をどうすれば良いのかわからないので、目の前の出来る事をコツコツやりつつ、発作が出れば凹みつつ、無理せずゆっくり過ごしつつ、やりたい事できたらいーね、という気持ちで日々を過ごしている。
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